自作PC

昨日遊んだ友人が、パソコンが欲しいと言い出したので予算は、と聞いたら「5万円くらい」といい驚いてしまった。俺はてっきり10万円弱かと予想していたのだ。最近のパソコンはDELLでも8万円くらいで液晶付デスクトップPCが買えるしemachinesなんかでも6万円ぐらいの本体とディスプレイを買えば10万あれば高性能のパソコンが手に入る。と、そう思ったので聞いてみたらどうやら自作PCの方に興味があったようだ。自分がこれまで数々の人にPCの自作を依頼されて作ってきた経験を結構パソコンの話のたびに彼に話していたので俺にも頼むと言われてしまったのだ。

小学校低学年のころから親戚の家にあったNEC PC9801でイーステトリスを楽しんでいて、その影響もあって高学年の頃にはWindows3.1(95の前のver)のデスクトップパソコンを、卒業直前に感動のWin95PCを、中学でWin98と同時にネットデビューという風に結構昔からパソコンをいじるのが好きだった自分。それが、高校の入学祝として作らせてもらったWin2000の初自作PCをきっかけにいろんな奴から依頼されてPCを作ってきたのだ。7、8機くらいは作ったと思う。そして今回また1機作ることになったというわけだ。
(ちなみに自分のPCは1機しかない。高校入学で作ったのはリビングに家庭用なので、自分用は最近の一年位前に2万円くらいでいろいろ流用して作ったネット専用の低性能PCだ。そう、実は俺自身は良いパソコンなんて一つも持ってないのだ。よって家電店のPCみると腹立ってくるw)

ただ本当に、いまさら自作か、と作るのが好きな自分でさえすこし躊躇してしまった。さっきのとおり最近のパソコンは驚くべきほど安い。5年前くらいなら自作で作らなければ安くていいものは作れなかったが今ではその長所は皆無になり「絶対自作がいい」という時代は終わった。というより、最近はむしろ自作で作ると割高になる事の方が多い。だから「5万円くらい」というのはハードルが高かった。彼がPhotoshopを使う人だからというのもある(この人については興味深いのでおいおいこの日記で書こうと思う)

モニターは流用前提だが、彼は5万円でモニター付が出来ると当然のように思ってた。計画の話の中盤で「それで何インチのディスプレイがつく?」という質問を凛とした顔で言われたのだ。正直、気を失いそうになった。無知って恐すぎる。彼は世の中の物価をもっと知るべきだと思った。物の値段というのは買い物をしたりして値段を見たりチラシをみたりすることによってある程度分かってくるのが普通であるはずだ。その普通さが身についていればたとえPCのことをあまり知らなくても「5万円でPhotoshopを使える高性能モニター付PCを作って」なんて絶対に言わない。その裏づけとして、今までの自作してあげた友人や購入のアドヴァイスをした友人たちは、俺が何か言うまではパソコンは20万弱、安くても10万強はするという認識だった(だからこそ俺はその後、自作を提案したし話がスムーズに進んだ)。彼は大物なのだ。とりあえず彼には「それでも今のパソコンは信じられないくらい安いんだから」といっておいた。5万円の高性能パソコン。全メーカーが中国製造にすれば不可能ではないかも・・・だが日本の経済が終わるだろう。

今回、安くていいものを作るということで初めてAMD系PCをつくことにした。ここが今までとは違うところで、そう、俺はintel系PCしか作ったことが無いのだ。2年前くらいからAthlonのよさ、そしてintelの信頼性の堕落に気づいていたが”慣れ”に負けてずっとintelを押してきた。しかし、それも限界になったのだ。

やっぱり、良いものにお金を払うべきであり、悪いものにお金を払うべきでない。お金を払うことによって企業の成果を評価し、支援するべきなのだ。これこそが結果として社会を良くし、競争を健全にし、本質的な自由市場にする。

例えば、最近ハイブリッドカーが普及しているがこれも消費者の企業努力の評価と環境保護の関心という側面があると思われる。ハイブリッドカーは低燃費を売りにすることが度々あるが、車体価格+維持費+燃費というトータルコストで考えたときに普通の車に比べ本当にお得なのかどうかは疑問視されている。ハイブリッドカーは普通の車より高い。もちろんその差を燃費の良さで埋め合わせるわけだがそれにも通常使用で5年以上はかかるといわれている。庶民はどんなものにもトータルコストパフォーマンスを常に追求する大きな傾向があるわけで、そのような人たちにとってハイブリッドカーは魅力的であるとは一概には言えないだろう。しかし、庶民に売れている。人気があるのだ。これは彼らが地球温暖化などの問題から環境保護に関心を持っているからではないかと俺は思う。値段的にはそんなに安くは無いかもしれないが、ガソリンの使用量は抑えられ、それによって二酸化炭素の排出も減らすことが出来きて環境保護にも一役買うことが出来ると。

もし、そうであればこれはとてもすばらしいことである。購買者は環境保護に参加することが出来、車メーカーがそれによって評価されてさらなる社会貢献をする。また、まだハイブリッドカーを出していない車メーカーも売れるのであればハイブリッドカーを出さない手は無い。こうして社会全体に利益をもたらすのだ。このすばらしい流れをつくったのは紛れも無く購買者、そう消費者だ。ただ、消費者が性能の関心、ブランド信仰等の思考の停止をしてしまえば良くはならない。だから、消費者こそが良識であって欲しいと俺は思うし、自分もそうでありたいのだ。良い循環のために。

という事で、理由は大げさではあるにしても、Athlonにするのだ。来週組み立てる予定である。今は見積もり段階。



これがPC98

これは20年前くらい、ちょうど俺が生まれたときくらいに出たパソコン。現代のフロッピドライブの3.5インチ型ではなく5インチ。それが二つ右側にあるのだ。記憶容量もいまの2分の一以下だったりする。人間の脳にあたるCPUの周波数にいたっては5Mhzだ。今のPCが2Ghz
だから400分の一だ。性能は今の数十万分の一だ。そんな性能のパソコンが安くても50万、100万円した。CD-R分のデータを記録するだけでも100万円くらいするのだ(今なら50円以下)。

性能の低さを露呈するべく、あえて現在を基準に書いたが逆に(普通に)言えば、ここ二十年で性能が数十万倍向上して、記録容量が10数万倍に増えたのにもかかわらず価格が10分の1になったのだ。本当に凄い世の中になったものだ。ほとんどの家庭がパソコンを2、3機、車も2,3台もつことが珍しくないのだ。こうかんがえるといい時代なんだなぁと思う。怠けている人たち(自分含めw)は先人の努力に感謝をして社会を良くして行かなければならないと思う。